紀元前3000年のメソポタミア時代は、医学による病気の治療方法は確立されておらず、病の原因は悪霊にあるとされ、体内から悪霊を追い払うための呪術もっぱら行なわれていたようです。そして悪霊を追い払うために使用されていたのが、動物の排泄物などの悪臭が強いものだったのですが、それらとともにハーブなどの薬草が燻製剤として使用され、その草を煎じて飲むということも行なわれていたようです。
エジプト時代に入ると薬草学がかなり発達していき、ローマ時代以降はアラビア医学のなかで薬用植物の利用が一般的になっていきます。中世のヨーロッパにおこったペストの蔓延を食い止めたのも、アラビア医学から発展していったハーブの知識だとされていますが、現在の研究によって、ハーブは抗酸化作用があり免疫力を高める効果があるということがわかっています。
また中世ヨーロッパでは、ハーブの知識に詳しい人、ハーブを魔除けなどに使用する知識をもつ人が魔女狩りとして弾圧を受けることが多かったようですが、これはキリスト教以外の宗教性との繋がりがある人々がハーブの知識によって人々を救い注目されたことの反動として、このような魔女狩りがおこったとされる話もあるようです。
そんななかイギリスではハーブの知識が定着し、その知識がイギリスからヨーロッパへ、また移民との接触によって北米先住民にも伝わっていきます。ガーデニングが盛んなイギリスでは、現在でも自宅の庭でたくさんのハーブを栽培している家が目立ちます。
現在では日本でもメディカルハーブという言葉やハーバルセラピストという言葉はめずらしいものではなくなり、医療従事者向けのコースがあるメディカルハーブのスクールなども増えています。日本では、ハーブ先進国であるイギリスのようにメディカルハーブが代替医療として広く認められるところまでは進んでいませんが、ハーブを健康増進に活用したいと考える方は少しずつ増えてきています。
日本では、食用としてのハーブは、生活のなかに定着してきましたが、薬用としてのハーブの効果が広く認められるようになるのはまだこれからということになるでしょう。